月別アーカイブ: 2018年3月

芸術音楽と音楽療法(エッセイ)

世界音楽療法の日おめでとうございます!

Happy World Music Therapy Day!

今日3月1日は世界音楽療法の日なので、私が携わる音楽療法関係のお知らせを、今日は一日通して行ってきましたが、そろそろ一日も終わりそうなので、お知らせというよりも自由に想いを書きたいと思います。

今夜は学生に招待されて、小森伸二先生の門下生によるコンサートに行ってきました。とても素晴らしいコンサートで感激して帰宅しました。

そして、このコンサートで演奏された芸術音楽を聴きながら、『「この音楽と、音楽療法で使う音楽は、全く同じ要素でつながっている」ということを学生に感じて欲しいなぁ』と思いました。

音楽療法でよくある場面を想像すると、「クライアントの好みの歌(例;童謡、歌謡曲、ポップス、アニメソング)を音楽療法士がピアノ伴奏しながら一緒に歌う」といった場面が思い浮かびます。これは別にそこで起こっていることがクライアントの健康を支援することにつながっているのであれば、何も問題はありません。でもその伴奏をする時に、表現がおざなりになっていないでしょうか?

今夜のサックスアンサンブルの演奏曲の中に、ソプラノサックスが伸びやかに主旋律を歌う場面で、他の声域のサックスがアルペジオをしているのが聞かれました。そのアルペジオは本当に美しく、ソプラノサックスと共に同等の役割を演じていました。和声の一フレーズの中にも抑揚があり、音量も速さも生き生きと変化し、主旋律と共感し支えながら、主旋律の歌声に寄り添ってその音楽の旅路を共にしている感じがしました。

私は「歌は一つのストーリー」だと思っています。そのストーリーを歌うクライアントの伴奏をすることは、その歌の中にあるストーリーをクライアントと共にすることだと思っています。その歌のドラマの中に生きるということです。

その歌のストーリーに共感しながら、またそのクライアントの歌声の息遣いを感じながら伴奏をするのだから、たとえあるコードが1小節の中にあったとしても、ずっと同じ弾き方にはならないはずです。今夜のサックスアンサンブルで表現されていたような抑揚や、音量や速さの微妙な変化が存在する必要があります。それがクライアントに、音楽以外では感じられない美的体験をもたらすのです。もし機械的に音符にある音のみを演奏するのであれば、音楽療法士は必要なく、カラオケマシーンがあれば良いのです。

また低音域のオスティナートの上でソプラノサックスが即興的に演奏したり、フリーテンポっぽい和声進行の後に、ソプラノサックスが歌い上げたりする場面は、音楽療法の即興でもよく見られます。オスティナートのようなリズム的繰り返しと安定性が、クライアントの自由な器楽演奏(例、打楽器、特定のスケールに配置された音積み木、ピアノの黒鍵、など)を支え、後押しします。またフリーテンポの和声進行の後に間を持ち、クライアントが演奏で答える形を作ることで、音楽的な対話を発展させたり、音楽的に独り立ち(ソロ演奏)する支えになったりします。その時に和声進行の中に微妙な変化(和声構造、音量、フレーズの長さ、リズムパターンなど)があることで、返答の仕方や音楽的独り立ちの在り方が変わってきます。そのクライアントらしさが生まれてくるのです。今夜の演奏の中にも、ソプラノサックスのメロディが変化し発展していった通りです。全く同じことです。

また今夜の演奏曲中に部分的に聞かれた、違う声域でも高らかに歌い上げるユニゾンは、「我々は違うけど一つだ」という気持ちを持たせてくれます。音楽療法の場面においても、そのようなクライマックスに向かう体験が必要な時には、伴奏でも即興によるアンサンブルでも、和声なんか必要なく、一緒に単音メロディを歌ったり弾いたりすればいいのです。ユニゾンだからこそもたらすことのできるパワーとメッセージがあります。

音楽療法の場面で、打楽器を使うのをよく見ますが、音楽の美的経験(音楽の中にあるストーリー)を台無しにしていることが多いです。今夜のラージアンサンブルで参加したパーカッショニストの繊細さにあったように、タンバリン一つで音楽のストーリーやドラマを共にできます。ただ鳴らせばいい「鳴り物」のように扱わないで欲しいです。

様々述べてきましたが、芸術音楽にあるような音楽性を音楽療法に持ち込むべき理由として、我々音楽療法士はクライアントに「音楽的に寄り添う」必要があるからなのです。「音楽的旅路を共にする」必要があるからなのです。音楽はその人のストーリーや旅路を色鮮やかにするもので、それが言葉を超えたかけがえのない体験をもたらし、音楽を通してクライアントを勇気付けたり、表現できなかった悲しみや怒りに触れさせたりするのです。それがクライアントの変化への力になるのです。このようにクライアントに言葉を超えた体験をもたらすためには、音楽は芸術音楽のように豊かでなければなりません。

私は技巧主義の話をしているのではありません。音楽療法士には音楽の豊かさを常に意識して欲しいということです。

今夜招待してくれた学生が、このように芸術音楽に触れる機会があって本当に私は嬉しく思うし、音楽療法の学生を受け入れてくださる小森先生には感謝です。彼女らが、この豊かな芸術音楽に触れて、それと同じ豊かさを彼女らの音楽療法の現場にも持ち込んでくれるといいな。

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「音楽療法とは・・・?」

世界音楽療法の日おめでとうございます!

Happy World Music Therapy Day!

今日3月1日は世界音楽療法の日なので、私が携わる音楽療法関係のお知らせを今日は一日通して行っていきたいと思います。

先のブログにも書きましたが音楽療法とは

「音楽を用いた関係性を通した健康の支援」

と私は定義付けています。

そこには「音楽」という視点、「関係性」という視点、「健康」という視点、「支援」という視点があり、それぞれに説明が必要です。

ちなみに私の音楽療法の定義は、ブルシアの定義にとても影響を受けています。詳しくお知りになりたいかたは、まずブルシアの本を読んで見てください。

さて、もう少しざっくばらんに音楽療法について知りたい方、例えば「音楽療法士が活躍できる場所(就職先)は?」「どんな人を相手に仕事するの?」などについて疑問のある方は、3月21日(水・祝)に名古屋音楽大学で行われるオープンキャンパスにお越しください。詳しくはこちらをご覧ください。

春のオープンキャンパス ワンポイント・模擬授業!!※随時更新予定

Happy World Music Therapy Day!

良き世界音楽療法の日を!

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音楽療法士になるには

世界音楽療法の日おめでとうございます!

Happy World Music Therapy Day!

(画像は世界音楽療法連盟 World Federation of Music Therapyのフェイスブックサイトから拝借しました)

今日3月1日は世界音楽療法の日なので、私が携わる音楽療法関係のお知らせを、今日は一日通して行っていきたいと思います。

音楽療法とは、「音楽を用いた人間関係を通して健康を支援する」ことと私は定義しています。それを実践出来るようになるには音楽だけ出来ても、対人援助だけ出来ても不十分です。それらの知識や技術に加えて、音楽療法に関する知識と技術が必要になります。

また知識をレクチャーで学べたとしても、それを実践につなげる実習を経験豊富な指導者のもとで受けることは、専門家として実践する前段階としては重要なことです。音楽と対人援助の知識と能力を活かし、対象になる人の健康に関するニーズを見極めて、その人の健康を最大限に引き出す方法を検討し、実施し記録していくという作業が音楽療法には伴います。それでなければ、療法として見なされません。

また音楽を用いた関係性を通して健康を支援する上での倫理というものについても学ぶ必要があります。

音楽療法教育とは体系的な学問で、学生は通常それを4年間かけて学び、卒業する頃にようやく音楽療法士として活躍するための基礎的基盤ができあがります。通信なんかではとても学べないと私は思っています。

ちなみに名古屋音楽大学では、4年かけて音楽療法をじっくり学べる環境が整っています。

名古屋音楽大学音楽療法コースに関してはこちらをクリックしてください。

さらに、名古屋音楽大学で音楽療法士になる勉強をしたい人で下記の条件に合う方は、今年度最後の二次入試を受ける機会がありますよ。

(1)高等学校または中等教育学校を卒業した者、及び2018年 3 月卒業見込みの者。

(2)通常の課程により12年の学校教育を修了した者、及び2018年 3 月修了見込みの者。

(3)学校教育法施行規則第150条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、及び2018年 3 月31日までにこれに該当する見込みの者。

です。

詳しくは名古屋音楽大学のトップページから、「二次入試」のバナーをクリックして試験要項を確認してくださいね。

Happy World Music Therapy Day!

良き世界音楽療法の日を!

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GIMレベル1&レベル3トレーニング開催(予定)

世界音楽療法の日おめでとうございます!

Happy World Music Therapy Day!

今日3月1日は世界音楽療法の日なので、私が携わる音楽療法関係のお知らせを、今日は一日通して行っていきたいと思います。

Since it is the World Music Therapy Day all around the world, I would post various music therapy related things that I am involved, throughout the day.

重要なお知らせです2016年より名古屋音楽大学にて行っている、ボニー式GIM実践家育成プログラムが、今年も開催される予定です。「予定です」としか現段階では書けないのは、最終的な契約の取り交わしが「文書上」できていないからですが、開催の方向で前向きに話し合いは進んでいます。この育成プログラムを提供する団体であるアトランティス・インスティテュートのサイトでは、既にトレーニングが開催されるとアナウンスされています

Important announcement!  We are planning to host the Bonny Method Guided Imagery and Music (BM-GIM) trainings at Nagoya College of Music this summer as we have for past two years.  We are in the process of exchanging the physical copies of the contract right now.  The training institute, Atlantis Institute for Consciousness and Music (AICM) has already announced that there will be trainings in Nagoya this summer.

今年はレベル1とレベル3モジュール1(上級臨床実践)が開催されます。トレーニングの概要については、こちらの名古屋音楽大学のページに載っています。

【音楽療法】GIM実践家育成プログラムの全容(レベル1~3)について

Two trainings would be offered.  Level I & Level III module 1 (advanced clinical practice).  Please refer to the curriculum page of the AICM.

これまで同様にメイン講師には、ジム・ボーリング教授、とアシスタント講師兼通訳は吉原奈美先生です。

Primary trainer will be Prof. Jim Borling, assistant trainer will be Ms. Nami Yoshihara.

日程は下記の通りです。Mark the date in your calendar!

ボニー式GIM実践家育成コース(レベル1)

  • 2018(平成30)年8月2日から同年同月5日まで

Bonny Method-GIM Level I training 2018 (the training) will be held from August 2 to August 5, 2018.

ボニー式GIM実践家育成コース(レベル3モジュール1)

  • 2018(平成30)年8月6日から同年同月10日まで

Bonny Method-GIM Level III module 1 training 2018 (the training) wii be from August 6 to August 10, 2018.

 

左から吉原先生、ボーリング教授、私です。From left, Ms. Yoshihara, Prof. Borling and me.

参加費など詳細は後日名古屋音楽大学のサイトにて発表があります。お楽しみに!

More details will be available at the Nagoya College of Music web site near future!  Stay tuned!

Happy World Music Therapy Day!

良き世界音楽療法の日を!

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音楽療法関連の出版物

世界音楽療法の日おめでとうございます!

(画像は世界音楽療法連盟 World Federation of Music Therapyのフェイスブックサイトから拝借しました)

今日3月1日は世界音楽療法の日なので、私が携わる音楽療法関係のお知らせを、今日は一日通して行っていきたいと思います。

まずは私の出版物についてです。本当は毎年の始めに書いている「今年の目標」というのに「やります」と書こうと思っていたのですが、一月にインフルエンザにかかったせいでブログに書けずじまいで、既に終わってしまったのでこちらで紹介します。

どちらが先に出版されるかわかりませんが、二つとも既に原稿を提出しました。

一つはブルシアが編纂しバルセロナ出版社から発売されている The dynamics of music psychotherapy を小宮暖氏が翻訳した、「音楽心理療法の力動」の書評を書きました。何事もなければ将来的に日本音楽療法学会誌に載ると思います。

大作ですので読むだけでも大変でしたが、それをお一人で翻訳した小宮さんに敬意を評したいと思います。

 もう一つも書評です。こちらはブルシアの単著で、Notes on the practice of Guided Imagery and Music について書きました。こちらも何事もなければ、名古屋音楽大学研究紀要に載る予定です。 ちなみに、その中でも触れている昨年出版した論文のリンクはこちらです。

日本人GIMレベルIトレーニング受講者の前提、反応、姿勢:アンケート調査

Happy World Music Therapy Day!

良い世界音楽療法の日を!

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